CGS Group LLCは、金属3Dプリンターで内部構造を作るサイレンサーメーカーである。この記事では、CGSの特長と、Airsoft ArtisanのHELIOS QDレプリカを整理する。あわせて、DMLSやチタンの基礎もまとめた。
CGS HELIOSの要点まとめ
- CGSは、金属3Dプリント技術のDMLSで、複雑な内部構造を実現している
- チタン製で軽いが、他社のチタン製より重く、価格も高い
- HELIOS QDのレプリカを、Airsoft Artisanが発売した
- Artisan版の素材は、チタンではなくアルミニウム合金である
- 直付けの廉価版と、DEAD AIRハイダー付きのフルセットの2種類がある
最も静かな サイレンサー を自負する CGS。驚愕の3Dプリンター製チタン サイレンサー の実力とは?
CGS (Chaos Gear Supply)Groupというサイレンサーメーカーをご存知だろうか?エアソフト業界ではまだまだ知名度が低いが、実銃のインストラクターやシューターによるレビューや、メディア・SNS等を通じた露出も多く、最近注目を集めているサイレンサーだ。
チタン製で軽量という点では特に他メーカーのチタンサプレッサーとの差はないが、 CGS はDMLS(Direct metal laser sintering:ダイレクトメタルレーザー焼結)という金属3Dプリント技術により複雑な内部構造を実現しているところが特長だ。
DMLSは、金属粉末にレーザーを当てて固める方式である。粉末を1層ずつ積み重ねるため、削り出しでは難しい中空の形状も作れる。
一体成形ができる点も、金属3Dプリンターの強みである。そのため、部品を組み合わせずに、複雑な構造を一度で造形できる。例えば、航空エンジンの燃料ノズルにも、この方式が使われている。
サプレッサーの基本的な仕組み
サプレッサーは、銃口から出る高圧ガスを、内部の空気室で拡散し、冷却する装置である。そのため、圧力が下がり、銃声が小さくなる。ただし、映画のような無音にはならない。
内部は、バッフルという仕切りで区切られる。バッフルの孔は、弾丸の直径に近いほど、消音効果が高い。そのため、高い工作精度が求められる。
DEAD AIRとDEVGRUの関係
また、NOVESKE DEVGRU N4への採用で知名度を上げたDEAD AIR SANDMAN-Sが5.56×45mm NATO弾との相性の悪さにより契約解除となったとの情報もあり、 CGS ではDEAD AIRフラッシュハイダーに取り付け可能なアタッチメントを用意するなど、かなりDEVGRUを意識した商品開発も行っている。(単純に、DEAD AIRの市場拡大に合わせただけかもしれないが…。)
ORGAの別記事では、DEAD AIR SANDMAN-Sは、.300BLKサブソニック弾との併用を前提とした選択と紹介した。一方、5.56mm仕様のN4は、AACのM4-2000を装着しているようだと紹介した。
Airsoft ArtisanのHELIOS QD
そんな CGS Group の要注目モデルである HELIOS QD がエアガン用レプリカとしてAirsoft Artisanからリリースされた。実銃界のトレンドをいち早く取り入れるスピード感。流石はArtisanだ。
QDは、Quick Detachの略である。工具を使わず、短時間で着脱しやすい取り付け方式を指す。そのため、HELIOS QDは、着脱のしやすさも特長といえる。
再現性の高い CGS HELIOS QD レプリカ
先述の通り、 CGS Group では現行の多くのモデルを3Dプリント製としているためサイレンサー表面は独特な粗目となるが、要所要所にポリッシュ加工を施すことにより洗練されたデザインへと昇華している。Airsoft Artisanではここまでの粗目ではないものの、ブラストされた面とポリッシュされた面の質感の差をうまく再現しており、複雑なデザインをエアガンパーツとして見事に形にしている。
ブラストは、表面に細かい粒子を吹き付けて整える加工である。ポリッシュは、表面を磨く加工である。そのため、2つの質感の差が、デザインの見どころになる。
素材とカラー
素材はさすがにチタンではなくアルミニウム合金となるが、GREYカラーモデルでは僅かにブラウンがかったチタンカラーをアルマイトで表現。ディテールのカッコ良さと併せ、存在感のあるフロントフェイスを実現する。チタンカラーとは別にブラックカラーも用意されるが、こちらについてもポリッシュとブラストの差がハッキリとしており、現代的な機能美を堪能することができる。
チタンは、アルミニウムより約60%重い。ただし、強度は約2倍とされる。そのため、同じ体積なら、アルミ合金のレプリカは、チタンより軽くなる。
内部構造と対応口径
内部構造については残念ながら消音材はなく筒状のスペーサーが入るのみとなるが、分割式となるためトレーサーユニットをセットすることも可能。前後のキャップが着脱可能なため、自身でスポンジ等をカットしてDIYするのもオススメだ。
エアソフトのサプレッサーは、内部にスポンジを入れる製品が多い。スポンジは、高い周波数の音を吸収する。そのため、発射音が、低くこもった音に変わる。
なお、 CGS HELIOS の刻印は弾薬表記に5.56mmとあるが .300ノルマ・マグナム弾までの口径に対応したサイレンサーで、7.62x51mm NATO弾や近年主流になりつつある.300BLK、また6.5mm Creedmoor や 6.8mm SPC などの中間弾薬にも対応している。エアガンで5.56mm のAR-15仕様を再現する場合は10インチ以上のアウターバレルで、それ以下のショートバレルの場合は.300BLK亜音速弾想定でガスブロックを近づけるか、中間弾薬以上の口径を想定すれば違和感のないセットアップが組める。
取り付け機構別に2モデルを展開
実物の CGS HELIOS についてはバレル直付けのスレッドパーツ2種とCGS専用QDアタッチメントのほか、オプションによりDEAD AIRフラッシュハイダー用のアタッチメントも用意されるが、Artisanでは14mm逆ネジに置き換えた直付けスレッドのみの廉価版と、DEAD AIRフラッシュハイダー及び専用アタッチメントが付属したフルセットの2モデルを展開。DEAD AIRフラッシュハイダー装着モデルはスレッド直付けに比べ約40mm延長されるため、印象も大きく変わる。
日本製のエアガンは14mm逆ネジ、海外製は14mm正ネジが基本である。そのため、購入前に、ネジの向きを確認したい。
DEAD AIRフラッシュハイダー装着モデルは、直付けより約40mm長くなる。そのため、ハンドガード先端との位置関係も、事前に確認したい。
実銃から見た選び方
実銃における話にはなるが、チタンサプレッサーを使う意図はその軽さにあるため、ハイダー及びアタッチメントの併用は重量が増すなど利便性に反して本来の目的を失うことに近い。そのため実銃においてもサプレッサーのバレルへの直付けはオーソドックスな方法である。
見た目もシンプルにまとまり重量を抑えられる廉価版か、用途に合わせて直付けもアタッチメントも使用できるフルキットか、お手持ちのライフルに合わせて選択して頂きたい。
フラッシュハイダーは、発射炎を抑える装置である。一方、サプレッサーは、ガスの圧力を下げて、銃声を抑える装置である。そのため、役割が異なる。
実物とArtisan版の違いを表で確認
次の表は、本文の内容を、実物とArtisan版で比較したものである。数値や仕様は、本文中の記述に基づく。
| 項目 | 実物 CGS HELIOS | Artisan HELIOS QD |
|---|---|---|
| 素材 | チタン(金属3Dプリント) | アルミニウム合金 |
| 表面 | 粗目の表面と、ポリッシュ面の組み合わせ | ブラスト面とポリッシュ面の差を再現 |
| 取り付け | 直付けスレッド2種、QDアタッチメント、DEAD AIR用はオプション | 14mm逆ネジの直付け、またはハイダー付きのフルセット |
| 内部 | 複雑な内部構造 | 消音材なし。筒状のスペーサーが入る |
| その他 | .300ノルマ・マグナム弾までの口径に対応 | 分割式で、トレーサーユニットを装着できる |
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CGS HELIOS QD TI とは?
実物の CGS HELIOS サイレンサーは金属3Dプリンターで成形されるが、3Dプリンターと聞くと耐久性は大丈夫なのかと思う方も多いだろう。金属3Dプリンターは金属粒子をレーザーで溶着させながら1層ずつ積層させていくが、 CGS Group が用いるDMLSは金属の切断にも使用される高出力レーザーで緻密かつ均質に焼結させるため、航空宇宙・防衛産業でも実績のある成形方法だ。
チタンの基本的な特性
チタンは、軽さと強度を両立しやすい金属である。また、耐食性が高く、海水にも強い。一方、熱伝導率が低い点には注意したい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 比重 | 4.5 |
| 鋼との比較 | 強度は鋼以上で、質量は約55% |
| アルミとの比較 | 約60%重いが、強度は約2倍 |
| 耐食性 | 酸や海水に対して高い |
| 熱伝導率 | 低い |
均質というところがミソで、一説には分子結合が強固となるため通常の金属生成に比べて見劣りしないどころか、より強い金属となるとも言われている。
DMLSのメリットと内部構造
また、DMLSの最大のメリットは従来の金属加工プロセスでは不可能な複雑な構造を実現できることにある。金属3Dプリンターを用いることで、これまでの製造方法では実現できなかったサプレッサーの内部構造を一体成型することに成功している。
また CGS Group が特許を取得したVariable Core Diameter(VCD Technology)もまたユニークだ。サプレッサーの内部には2つの異なる径のバッフルが存在し、前半は高圧ガス、後半は低圧ガスに対応しており、より効果的な減炎減音を実現しつつ着弾の精度もキープする高性能さがウリとなる。このパフォーマンスについては CGS Group の過大な自己評価に苦笑しつつも多くのレビュアーが認めるところではあるようだ。しかし、 CGS 製品の最大のネックは「価格」と他メーカーチタンサプよりは「重い」という点にある。
サプレッサーでは、背圧も設計上の課題とされる。背圧が高いと、ガスが射手側へ逆流しやすくなる。そのため、メーカー各社は、性能以外の工夫も競っている。
効果と弱点
世界で最も静かなサイレンサーを自負するだけあり、Youtubeのレビューなどを観てもその効果は絶大だ。サプレッサーとしての最大限の効果を発揮しつつ着弾点の精度も素晴らしいが、チタン素材の耐熱性・耐久性の問題(本来、耐熱性や強度は高い素材だが、熱伝導率が低く高温かつ高圧に晒され続けると硬化して割れやすい)から軍用や法執行機関系の採用は難しいかもしれない。しかし CGS Group ではもちろんチタン以外の素材モデルもあるし、何よりDMLSの更なる強みはあらゆる金属素材を成形できることにある。
サプレッサーの効果には、限界もある。例えば、機構の作動音や、超音速弾のソニックブームは残る。そのため、完全な無音にはならない。
CGS HELIOSの位置づけ
Artisanがレプリカとして発売した CGS HELIOS は今後の CGS Group の飛躍を予測してのモデルアップと思われるが、新世代のスタンダードとなる可能性を充分に秘めたサプレッサーであることは間違いない。
SUREFIREなどシンプルなデザインに飽きてしまったサプレッサーユーザーには、 CGS Group LLCは是非とも注目して頂きたいメーカーである。
エアソフトでは、実銃の消音効果は再現しにくい。そのため、外観を再現するレプリカが主流である。また、トレーサーを内蔵できる製品もある。
エアソフトでサプレッサーを使う意味
BB弾の初速は、音速の4分の1程度である。そのため、発射音が聞こえてから、BB弾が届く。一方、音が目立たなければ、相手は気付きにくくなる。
CGS Group LLCに関するよくある質問(Q&A)
Q. CGS Group LLCとは、どんなメーカーですか?
チタン製のサイレンサーを作るメーカーである。金属3Dプリント技術のDMLSで、複雑な内部構造を実現している。
Q. DMLSとは、何ですか?
金属粉末にレーザーを当てて固める、金属3Dプリント技術である。そのため、削り出しでは難しい内部形状も作れる。
Q. CGSの弱点は、何ですか?
最大のネックは、価格と重さである。他メーカーのチタン製サプレッサーより、重いとされる。
Q. Artisan版HELIOS QDの素材は、何ですか?
アルミニウム合金である。GREYカラーは、チタンカラーをアルマイトで表現している。ブラックも用意される。
Q. Artisan版には、どんなモデルがありますか?
14mm逆ネジの直付けの廉価版と、DEAD AIRハイダー付きのフルセットの2種類である。
Q. フルセットは、どのくらい長くなりますか?
直付けより、約40mm長くなる。そのため、見た目の印象も、大きく変わる。
Q. 内部にスポンジは入っていますか?
消音材は入らず、筒状のスペーサーのみである。ただし、前後のキャップを外して、スポンジをDIYできる。
Q. エアガンで、消音効果はありますか?
無音にはならない。ただし、スポンジなどで高音を抑えると、発射音を目立たなくできる。
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